国内人材不足の打開策「特定技能制度」は打ち出の小槌か④メリットデメリット

前回は「特定技能と言う選択肢は人材不足の打開策なのか」として制度としての選択肢は有効でも世界から選んでいただけるのか?こんな目線で解説しました。

特定技能制度のメリットデメリットから見た日本の未来

今回は「制度」自体にフォーカスしてメリット、デメリットを明確にしながら俯瞰して日本の立ち位置や未来から予想して見ます。

特定技能制度

中小・小規模事業者をはじめとした人手不足は深刻化しており,我が国の経済・社会基盤の持続可能性を阻害する可能性が出てきているため,生産性向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において,一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れていく仕組みを構築するために特定技能制度が創設されました。
総務省HPより

要は国が定めた業種において、「一定の資格(日本語習得、技能水準試験)を有する事で在留資格「特定技能」を与えます」になります。

細かくは特定技能1号と2号に分かれています。

特定技能1号のポイント
○ 在留期間:1年,6か月又は4か月ごとの更新,通算で上限5年まで
○ 技能水準:試験等で確認(技能実習2号を修了した外国人は試験等免除)
○ 日本語能力水準:生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認(技能実習2号を
修了した外国人は試験等免除)
○ 家族の帯同:基本的に認めない
○ 受入れ機関又は登録支援機関による支援の対象

特定技能2号のポイント
○ 在留期間:3年,1年又は6か月ごとの更新
○ 技能水準:試験等で確認
○ 日本語能力水準: 試験等での確認は不要
○ 家族の帯同:要件を満たせば可能(配偶者,子)
○ 受入れ機関又は登録支援機関による支援の対象外

それでは本題に戻り「特定技能のメリットデメリット」についての解説です。
これは表現する方の立場によって目線が変わりますが

先ずは国内からの目線です

メリット

技能制度が「人手不足の解消」を目的としていることもあり、受け入れによって即戦力人材の確保やフルタイムで就労可能な人材の受け入れが可能な点が主なメリットとして挙げられます。
ChatGPTによる回答

デメリット

これは全ての外国人雇用に当てはまる内容になりますが、出入国在留管理庁への申請に加えて、受入に際して手続きのややこしさがネックになります。そうなると受入までにコストもかかり、受入後の教育コスト(コミュニケーション)などの課題も残ります。

それらをデメリットを差し引いても、余るメリットがあり近々の対応策として期待されている制度になります。

制度を利用する外国人(雇用される側)からの目線

メリット

特定業種に限れば転職も可能になるので選択の自由度は広がる(技能実習制度では禁止事項)
気に入れば一定期間、安定的に働くことが出来る(ある程度希望にそった働き方が可能に)

デメリット

在留資格(特定技能)を得るための日本語能力と技能水準確認試験の合格が必要。

これはデメリットと言えるかは疑問もありますが、日本国内で働くにあたっては「日本語能力」「技能水準試験」が必須になりますので、初めて日本に来て働きたい場合には母国で「日本語学校」などに通い一定水準の知識を付ける必要があり、そこにコストがかかる場合があります。
この辺は技能実習などを経験して日本国内で既に就労経験などがある方にはアドバンテージかもしれません。これは技能水準試験にも同じことが言えます。

言うなれば「日本人が海外で働く場合にはTOEIC600点は必須です」と言われているに等しい感じかもですね。

この辺が将来的に緩和の方向に進むか否かは難しい判断にはなろうかと思います。